この記事はこんな人に向けて書いたものです。
みなさんは普段、どんな体温計を使っていますか?
体温計って調べてみるといろんな種類がありますよね。
それぞれどんな種類があって、どのように使い分ければ良いのでしょうか?
この記事では、体温計の種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
体温計の種類:方式別
体温計を方式別に分けると、以下の3種類があります。
種類 | 精度 | 早さ | 衛生面 | 安さ |
---|---|---|---|---|
水銀体温計 | ◎ | △ | △ | - |
電子体温計 | ○ | ○ | △ | ◎ |
赤外線体温計 | △ | ◎ | ◎ | △ |
水銀体温計
昭和世代の方にとっては懐かしいのではないでしょうか。
水銀の熱膨張を利用して、膨張した幅を目盛りで数値化して体温を測定します。
検温は正確ですが、5~10分以上しっかりと体温計をわきに挟んでおく必要があります。
なお、水銀体温計は現在では製造・輸入が禁止されています。
水銀は気化すると有毒なガスとなり、水銀中毒で死に至ることもある危険なものだからです。
そのため、水俣条約および水銀汚染防止法等により、2021年1月1日から水銀を使った製品の製造・輸入が禁止となりました。
水銀体温計を廃棄する場合は廃棄物処理法に従った対応が必要です。
電子体温計
現在、もっとも一般的に使われている体温計です。
測定部位は口の中またはわきです。
温度が変わると電子抵抗が変化するサーミスタと呼ばれる半導体素子を使って体温を測定します。
電子体温計には、5~10分間かけて体温を測定する実測式体温計と、最初の1分前後の体温上昇カーブから10分後の体温(平衡温)を予測する予測式体温計があります。
実測式体温計
測定部位の温度をそのまま測定します。
予測式体温計に比べて測定時間がかかりますが、より正確な体温を測定できます。
測定時間がJISで規定されており、口の中で測定する場合は5分以上、わきで測定する場合は10分以上の測定が必要です。
予測式体温計
体温の上昇率から平衡温を予測して体温を算出します。
実測式体温計に比べて精度は劣りますが、短時間で体温を測定できます。
使用されているセンサーや予測計算式は各メーカー独自のものです。
ほとんどの予測式体温計は、予測値が出たあともそのまま規定時間まで測定を継続することで実測式体温計として使用することもできるようになっています。
赤外線体温計
赤外線センサーを利用して体温を測定します。
おでこやこめかみにかざすタイプと、耳に入れて測定するタイプがあります。
測定時間が短くてすむ半面、精度は電子体温計に比べて劣ります。
短時間で多くの人の体温を測定したい場合に向いています。
体温計の種類:測定部位別
体温計を測定部位別に分けると、以下の4種類があります。
測定部位 | 精度 | 早さ | 衛生面 | 安さ |
---|---|---|---|---|
わき | ○ | △ | △ | ◎ |
口 | ○ | ○ | △ | ◎ |
おでこ | △ | ◎ | ◎ | △ |
耳 | △ | ◎ | ○ | △ |
各測定部位における正しい測定方法については、以下の記事をご覧ください。
わき:腋窩式体温計
もっとも一般的な測定部位です。
わきに体温計をあてて腋窩温を測定します。
平衡温を測定するためには10分以上かかります。
体温計をわきにあてる必要があるため、衛生面に注意する必要があります。
口:口式体温計
口の中の舌の付け根に体温計をあてて舌下温を測定します。
平衡温を測定するためには5分以上かかります。
体温計を口の中に入れる必要があるため、衛生面に注意する必要があります。
おでこ:額式体温計
おでこに赤外線体温計をかざして皮膚温度を測定します。
測定時間は1~2秒です。
外気温や日光の影響を受けやすく、他の体温計に比べて精度が劣ります。
耳:耳式体温計
耳の中に赤外線体温計を入れて鼓膜温を測定します。
測定時間は1~2秒です。
正確な鼓膜温を測定するためには、体温計の感温部を耳の奥の鼓膜の方向に正しく向ける必要があります。
また、耳の中が汚れていると、測定結果にムラが出る場合もあります。
その他の体温計
これまでご紹介した体温計は風邪をひいた時などに使用するものでしたが、その他に基礎体温を測定するための体温計として基礎体温計があります。
精度 | 早さ | 衛生面 | 安さ | |
---|---|---|---|---|
基礎体温計 | ◎ | △ | △ | ○ |
基礎体温計
体のリズムを知るために、基礎体温を測定することを目的とした体温計です。
主に女性が使用することから婦人体温計とも呼ばれます。
基礎体温計は口式体温計です。
一般的な体温計は表示温度が0.1℃単位ですが、基礎体温計は0.01℃単位まで表示されます。
一般的な体温計では分からない微細な体温の変化も基礎体温計では分かるようになっています。
機能面では、体温を自動的に記録してグラフ表示できるものや、パソコンやスマホのアプリと連動できるものもあります。
まとめ
体温計の種類についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ポイントをまとめると、
です。
体温計はそれぞれ長所と短所、向き不向きがあります。
それぞれの特徴を理解して、目的に合った体温計を選択することが大切です。
この記事が、あなたの育児・子育てに対する疑問や不安を解消するためにお役に立てば何よりです。
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