この記事は、こんな人に向けて書いたものです。
出生前診断にはいくつか種類があり、その中に「新型出生前診断(NIPT)」という検査があります。
これはどんなことをする検査なのでしょうか?
この検査を受けると何が判明するのでしょうか?
この記事を読んでいただければ、新型出生前診断(NIPT)の検査内容や対象疾患が明確となり、疑問や不安が解消できるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
代表的な出生前診断
まずは代表的な出生前診断についてお話します。
「そんなことより新型出生前診断(NIPT)の話が聞きたい!」という方はこちらへどうぞ。
出生前診断の種類
出生前診断を非確定的検査と確定的検査の2種類があります。
非確定的検査(非侵襲的検査)
赤ちゃんの疾患の可能性を評価する検査です。
妊婦さんや赤ちゃんへの負担が少なく、流産などのリスクがありません。
評価を確定させるためには別途確定的検査を受ける必要があります。
確定的検査(侵襲的検査)
赤ちゃんの疾患の可能性を確定させる検査です。
妊婦さんや赤ちゃんへの負担が大きく、流産などのリスクがあります。
各出生前診断の特徴
超音波検査(エコー検査)
妊婦さんのお腹に機械をあてて、赤ちゃんの身体の画像を抽出して診断します。
機械を妊婦さんのお腹にあてるだけなので、流産などのリスクはありません。
検査を受けることができる時期は11~13週で、検査結果は当日に知ることができます。
対象疾患は13(パトウ症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・21トリソミー(ダウン症候群)です。
母体血清マーカー検査
妊婦さんの採血検査によって、赤ちゃんの染色体の変化や先天的疾患である二分脊椎の確立を算出します。
妊婦さんから採血するだけなので、流産などのリスクはありません。
検査を受けることができる時期は15~18週で、検査結果が出るまでに2週間ほどかかります。
対象疾患は13(パトウ症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・21トリソミー(ダウン症候群)・二分脊椎です。
羊水検査
妊婦さんのお腹に針を刺して、子宮内の羊水中に含まれる赤ちゃんの細胞を採取し、赤ちゃんの染色体やDNAの変化を調べます。
羊水を採取するために妊婦さんのお腹に針を刺すため、破水・出血・子宮内感染・早産・羊水塞栓症・穿刺による母体障害(血管や腸管など)や胎児の受傷などの合併症が生じる可能性があります。
検査を受けることができる時期は15週以降で、検査結果が出るまでに2~4週間ほどかかります。
対象疾患はすべての染色体の変化です。
絨毛検査
妊婦さんのお腹に針を刺して絨毛を採取し、赤ちゃんの染色体やDNAの変化を調べます。
(胎盤の位置によって、膣から絨毛を採取する場合もあります)
絨毛を採取するために妊婦さんのお腹に針を刺すため、破水・出血・子宮内感染・早産・羊水塞栓症・穿刺による母体障害(血管や腸管など)や胎児の受傷などの合併症が生じる可能性があります。
検査を受けることができる時期は11~14週で、検査結果が出るまでに2~3週間ほどかかります。
対象疾患はすべての染色体の変化です。
新型出生前診断(NIPT)とは?
概要
正式名称は「母体血胎児染色体検査(NIPT:Non-Invasive Prenatal genetic Testing)」といいます。
国内で検査が始まったのが2013年4月からと比較的新しいため「新型出生前診断」と呼ばれています。
検査内容
妊婦さんから血液を10~20ml採取して、赤ちゃんの染色体の変化を調べます。
妊婦さんから採血するだけなので、流産などのリスクはありません。
検査を受けることができる時期は10~22週で、検査結果が出るまでに2週間ほどかかります。
対象疾患
認可施設では13トリソミー(パトウ症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・21トリソミー(ダウン症候群)を検査できます。
無認可施設では13・18・21トリソミー検査に加えて性染色体検査・全染色体検査・微小欠失検査も受けることができます。
認可施設と無認可施設の違いについては、こちらをご覧ください。
メリット
新型出生前診断(NIPT)の一番のメリットは、妊婦さんや赤ちゃんに負担をかけずに精度の高い検査ができることです。
新型出生前診断(NIPT)のメリット・デメリットの詳細は、こちらをご覧ください。
費用
施設や検査内容によって費用が異なりますが、おおむね5~20万円くらいです。
費用の詳細は、こちらをご覧ください。
まとめ
新型出生前診断(NIPT)の検査内容や対象疾患について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
ポイントをまとめると、
です。
新型出生前診断(NIPT)は、検査精度が高く、妊婦さんや赤ちゃんへの負担が少ないのが特徴の一つです。
赤ちゃんの疾患が気になる方は新型出生前診断(NIPT)を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が、あなたの出産に対する不安解消に少しでも役立つことを願っています。
新型出生前診断(NIPT)を検討している方へ、まずは専門家に相談してみませんか?
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