この記事は、こんな人に向けて書いたものです。
赤ちゃんができると、無事に元気な子が生まれてきてくれるか不安になるものです。
そんな心配事を解決してくれる出生前診断ですが、デメリットが無いか気になりますよね。
この記事を読んでいただければ、新型出生前診断(NIPT)の問題点が明確となり、疑問や不安が解消できるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
新型出生前診断(NIPT)の概要を知りたい方は、こちらをご覧ください。
出生前診断のメリットとデメリット
まずは新型出生前診断(NIPT)以外の代表的な出生前診断のメリットとデメリットをご紹介します。
「そんなことより新型出生前診断(NIPT)の話が聞きたい!」という方はこちらへどうぞ。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
羊水検査 | 診断が確定できる | 合併症の可能性あり 流産の確率約0.3% |
絨毛検査 | 診断が確定できる | 合併症の可能性あり 流産の確率約1% |
コンバインド検査 | 胎児・母体の負担が少ない | 診断が確定できない 結果がわかりにくい ダウン症の感度約80% |
母体血清マーカー検査 | 胎児・母体の負担が少ない | 診断が確定できない 結果がわかりにくい ダウン症の感度約83% |
羊水検査
羊水の中にある赤ちゃん由来の細胞を培養して染色体の形と数の変化を確認する検査です。
羊水検査は確定的検査なので、この検査だけで診断を確定できます。
しかし、羊水を採取する際に妊婦さんのお腹に針を刺すため、破水・出血・子宮内感染・早産・羊水塞栓症・穿刺など妊婦さんの血管や腸管を傷つけたり、赤ちゃんを傷つけたりして合併症を引き起こす可能性があります。
また、約300人に1人の割合で流産や赤ちゃんが死亡する可能性があります。
そのため、通常は羊水検査を実施する前に合併症や流産のリスクの少ない非確定的検査を行います。
絨毛検査
絨毛の中にある赤ちゃん由来の細胞を培養して染色体の形と数の変化を確認する検査です。
絨毛検査は確定的検査なので、この検査だけで診断を確定できます。
しかし、羊水を採取する際に妊婦さんのお腹に針を刺すため、破水・出血・子宮内感染・早産・穿刺など妊婦さんの血管や腸管を傷つけたり、赤ちゃんを傷つけたりして合併症を引き起こす可能性があります。
また、約100人に1人の割合で流産や赤ちゃんが死亡する可能性があります。
そのため、通常は絨毛検査を実施する前に合併症や流産のリスクの少ない非確定的検査を行います。
コンバインド検査
赤ちゃんの超音波検査と妊婦さんの母体血清マーカー検査を組み合わせた検査です。
コンバインド検査は非確定的検査なので、診断を確定するためには別途確定的検査を受ける必要があります。
超音波と採血だけの検査なので、流産や死産のリスクがありません。
しかし、結果が確率であらわされるため陰性・陽性がわかりにくく、ダウン症の感度も約80%とあまり高くありません。
母体血清マーカー検査
妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんや胎盤由来の4つのたんぱく質を解析する検査です。
母体血清マーカー検査は非確定的検査なので、診断を確定するためには別途確定的検査を受ける必要があります。
採血だけの検査なので、流産や死産のリスクがありません。
しかし、結果が確率であらわされるため陰性・陽性がわかりにくく、ダウン症の感度も約83%とあまり高くありません。
新型出生前診断(NIPT)の問題点:メリットとデメリット
新型出生前診断(NIPT)のメリットとデメリットをそれぞれ4つ挙げます。
新型出生前診断(NIPT)のメリット・デメリットは、認定施設か無認定施設かによって変わります。
認定施設と無認定施設の違いについては、こちらをご覧ください。
メリット①:赤ちゃんの状態がわかる
1つ目のメリットは、お腹にいながら赤ちゃんの染色体疾患を検査できることです。
染色体疾患は、出産年齢が上がるにつれて発生率も高くなることがわかっています。
その確率は、出産年齢が35歳を超えると急激に上昇します。
メリット②:赤ちゃんを受け入れる準備が早くできる
2つ目のメリットは、万一疾患が見つかった場合に妊娠中から事前準備ができることです。
新型出生前診断(NIPT)は、妊娠10週目から受けることができます。
検査で陽性となった場合でも、疾患について調べたり、赤ちゃんを迎える準備をする時間が持てます。
メリット③:赤ちゃんにも妊婦さんにも、体への負担やリスクが少ない
3つ目のメリットは、赤ちゃんにとっても妊婦さんにとっても身体への負担が少ないことです。
検査は採血のみなので、赤ちゃんを直接刺激することはありません。
また、妊娠10週目と妊婦さんの負担が少ない時期から検査できます。
メリット④:検査精度が高い
4つ目のメリットは、検査精度が高いことです。
ダウン症に対する感度は、他の非確定的検査が80%台なのに対して、新型出生前診断(NIPT)は約99%と高くなっています。
デメリット①:妊婦さんの不安をあおる結果になることもある
1つ目のデメリットは、検査することでかえって不安になる可能性があることです。
結果が陽性だった場合にその事実を受け入れられずにパニックを起こしたり、不安になることがあります。
そのような混乱を招かないように、遺伝カウンセリングによる手厚いサポートが受けられる施設を選ぶことが重要です。
デメリット②:検査結果で陽性になったら精密検査を受ける必要がある
2つ目のデメリットは、結果が陽性だったときは確定的検査を受ける必要があることです。
新型出生前診断(NIPT)は非確定的検査です。
なので、診断を確定させるためには別途確定的検査を受けなければなりません。
デメリット③:特定できる疾患が限られている
3つ目のデメリットは、基本的に特定できるのが3つの染色体疾患のみという点です。
日本産科婦人科学会の指針により認可施設では、対象疾患は13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)の3つに限られています。
検査で陰性だったとしても、すべての染色体疾患が陰性というわけではありません。
デメリット④:命の選別になる可能性がある
4つ目のデメリットは、この検査が命の選別として利用される可能性があることです。
新型出生前診断(NIPT)を受けるときは、十分な知識を身につけて、検査後のこともよく考えておくことが重要です。
新型出生前診断(NIPT)は安全?
新型出生前診断(NIPT)は妊婦さんから採血するだけなので、身体的には安全な検査です。
しかし精神面では、結果が陽性だった場合はかえって不安をあおってしまうことがあります。
実際検査を受けた人の中には「こんなことなら検査を受けずに何も知らない方がよかった」と後悔する人もいます。
新型出生前診断(NIPT)を受けるときは、万一陽性だった場合の対応も考えておくことが大切です。
まとめ
新型出生前診断(NIPT)の問題点について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
ポイントをまとめると、新型出生前診断(NIPT)は
です。
新型出生前診断(NIPT)は採血するだけの簡単な検査なので、遺伝カウンセリング無しで検査できる施設もあります。
しかし検査で陽性となった人の中には、どのように対応してよいか分からずに混乱した方もいます。
検査するときは事前に遺伝カウンセリングを受けて、検査内容や陽性だった場合の対応を考えておくことを強くおすすめします。
この記事が、あなたの出産に対する不安解消に少しでも役立つことを願っています。
新型出生前診断(NIPT)を検討している方へ、まずは専門家に相談してみませんか?
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