育児・子育てにおける夫婦間の協力

育児と子育て

前回の記事で、育児・子育ては大変だということをお伝えしました。

そんな育児・子育ての大変さを緩和するためには、周りの協力が必要となります。

周りの協力とは、大きく分けると

周りの協力とは…
  1. 夫婦間の協力
  2. 祖父母の協力
  3. 地域社会の協力

の3つです。

この記事では、この3つの協力のうち「夫婦間の協力」について考えてみます。

夫婦でお互いの協力に感謝しているところもあれば、非協力的で不満がたまっていたり、家庭によって状況はさまざまです。

また、意思の疎通が不十分で、お互いの気持ちがすれ違っている家庭もあるかもしれません。

この記事を読んでいただければ、母親・父親それぞれが育児・子育てについてどう考えているか、わかっていただけると思います。

ぜひ、最後までご覧ください。

育児・子育ての大部分は母親が担っている!

昔に比べると、昨今の父親は育児・家事に協力的になってきたといわれています。

しかしながら、諸外国に比べると、日本の父親の育児・家事への参加率はまだまだ低く、「育児・家事は母親の仕事」と考える人が多数派を占めています。

平成27年版厚生労働白書による「1日あたりの末子6歳未満の夫婦の育児・家事時間」の調査結果は以下のようになっています。

育児に関してはおよそ5倍、家事に関してはおよそ9倍、父親より母親のほうが費やす時間が多いという結果になっています。

共働き世帯では、多少父親の比率が高くなっていますが、それでも圧倒的に母親のほうが育児・家事を担っています。

ただ、子どもが小さいうちは、子どもが母親から離れず、母親以外の人では子どもの面倒が見られないケースもあります。

そこで、今度は子どもの年齢別にみた夫婦の育児・家事時間の割合を見てみましょう。

平成27年版厚生労働白書の「末子年齢別にみる共働き世帯の夫婦の育児・家事時間」では、以下のような結果になっています。

育児に費やす時間は、母親・父親ともに、子どもが大きくなるにつれて減少していますが、その比率は子どもの年齢に関係なく母親が父親の約4倍となっています。

家事を担う時間は、父親は子どもの年齢に対してほとんど変化がありませんが、母親は子供が大きくなるにつれて増えていっています。

子どもが大きくなると、父親は仕事に専念していくのに対して、母親は家事の負担が増えるんですね。

育児・子育てにおいて父親はあてにならない?

育児・子育てにおいて、父親より母親のほうが多くの時間を使っていることがわかりました。

使う時間が多いということは、父親より母親のほうが育児・子育てに対する負担や不満を抱えることが多くなると考えられます。

そんな負担や不満を感じたとき、母親はだれに相談しているのでしょうか?

平成27年版厚生労働白書の調査では、以下のような結果になっています。

子どもの教育や進路を決めるとき86.8%の母親が父親に相談していますが、出産や育児の相談となると37.8%と実に半分以下まで減っています。

出産や育児のことは自分の親に相談する母親が46.9%で、父親は出産や育児ではあまりあてにされていないことがわかりました。

たしかに、我が家もそうでした。

育児・子育てでわからないことがあると、妻はだいたい自分の親、特に母親に相談していました。

育児経験者だけあって、義母の話には説得力があるんですよね。

親が頼もしいのはわかりますが、父親の身としては少し寂しい気もします。

では、仕事などで子どもをあずかってほしいときに、母親はだれ頼っているのでしょうか?

平成27年版厚生労働白書の調査では、以下のような結果になっています。

「自分が働きに出るとき」「2人目を出産するとき」は自分の親を、「自分が介護するとき」「自分が病気のとき」は配偶者の支援が多くなっています。

また、だれかの支援が必要なときでも、結局、自分で子どもの世話をしなければならない母親も少なからず居るようです。

育児・子育ての自己評価は?

育児・子育ての負担は母親の負担が大きく、父親はあまりあてにされていないことがわかりました。

では、育児・子育てへの自分自身の関わり方について、母親・父親はどのように評価しているのでしょうか。

平成27年版厚生労働白書の調査では、以下のような結果になっています。

「十分である」「ある程度十分である」と評価する割合が、母親は85.9%父親は63.2%となっています。

これまでにご紹介した育児時間などのデータから考えると、父親の63.2%という数字は意外に高い気がします。

母親からすると、「父親は自己評価が甘すぎる」と感じるかもしれませんね。

また、母親の14.1%父親の36.8%「あまり十分でない」「不十分である」と考えています。

母親・父親は、父親が育児・子育てに十分に関われない理由は何だと考えているのでしょうか。

平成27年版厚生労働白書の調査では、以下のような結果になっています。

母親・父親ともに、父親が育児・子育てに十分に関われない一番の理由は、「仕事が忙しすぎる」ことだと考えています。

気になるのは、「個人的な楽しみの方を大切にする」「子育ての大変さを理解していない」と考えている母親が多いことです。

父親はそんなつもりはなくても、母親の目には否定的に映っているんですね。

「個人的な楽しみより家族が大切だよ!」「子育てが大変なのは理解しているよ!」と考えているお父さん、変な疑いをかけられないように、普段の行動をあらためた方がいいですよ。

まとめ

育児・子育てへの夫婦間の協力についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。

イクメンという言葉ができるくらい、育児・子育てに積極的な父親は増えてきていると思います。

しかし、現実は、育児・子育ての負担が母親に偏っている家庭がまだまだ多いということがデータによって明らかとなりました。

父親の中には、「自分は十分に育児・子育てに関わっている」「育児・子育ての大変さは十分理解している」と考えている人もいると思います。

でも、母親の目には、「子どもより自分の趣味が大事」「育児・子育ての大変さがわかったつもりになっているだけ」と映っているかもしれませんよ。

世のお父さん方、自分の育児・子育てへの関わり方について再考してみませんか?

この記事が、ご夫婦で育児・子育てについて話し合うきっかけとなり、育児・子育て環境の改善に少しでもお役に立つことを願っています。

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