【ご存じですか?】育児休業法が改正されます

育児と子育て

この記事はこんな人に向けて書いたものです。

ポイント
  • 育児休業法が改正されるって聞いたけど、どう変わるのかよく分からない
  • 育児休業を取得しやすくなるのかな?
  • 仕事と育児を両立しやすくなるのかな?

令和3年に育児休業法が改正されて、令和4年~令和5年にかけて3段階で施行されるのをご存じですか。

男女とも仕事と育児を両立できるようにすることが目的だそうです。

本当に仕事と育児を両立しやすくなるのでしょうか。

この記事を読んでいただければ、育児休業法がどのように改正されるのかが明確となり、疑問や不安が解消できるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

育児休業法改正の概要

改正される育児休業法の内容は次の5項目です。

育児介護法の改正内容
  1. 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化(令和4年4月1日施行)
  2. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(令和4年4月1日施行)
  3. 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設(令和4年10月1日施行)
  4. 育児休業の分割取得(令和4年10月1日施行)
  5. 育児休業取得状況の公表の義務化(令和5年4月1日施行)

それぞれのポイントを詳しく解説します。

①雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化(令和4年4月1日施行)

労働者が育児休業を取得しやすくなるように、事業主に次の2点が義務付けられます。

育児休業を取得しやすくなるように
  • 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
  • 妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

育児休業産後パパ育休(令和4年10月1日施行)の申し出が円滑に行われるのようにするため、事業主は次の4点のいずれか(複数が望ましい)の措置を講じなければなりません。

①育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施

対象は、全労働者が望ましいです。
少なくとも管理職は研修を受けたことがある状態にする必要があります。

②育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口や相談対応者の設置)

窓口を設ける場合、形式的に設けるだけでなく、実質的な対応が可能な窓口を設けなければなりません。
また、窓口の周知等をして、労働者が利用しやすい体制を整備する必要があります。

③自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供

自社の育児休業取得事例を収集し、事例を掲載した書類の配布やイントラネットへの掲載等を行い、労働者が閲覧できるようにしなければなりません。
提供する事例を特定の性別や職種、雇用形態に偏らせず、可能な限り様々な労働者の事例を収集・提供し、特定の者の育児休業の申し出を控えさせることに繋がらないように配慮が必要です。

④自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

育児休業に関する制度と育児休業の取得の促進に関する事業主の方針を掲載したもの(ポスター等)を事業所内やイントラネットへ掲載する必要があります。

妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する次の4点の周知と休業の取得意向の確認を個別に行わなければなりません。

取得を控えさせるような形での個別周知と意向確認は認められません。

周知事項
  1. 育児休業・産後パパ育休に関する制度
  2. 育児休業・産後パパ育休の申し出先
  3. 育児休業給付に関すること
  4. 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
個別周知・意向確認の方法(次のいずれか)
  1. 面談(オンライン面談も可)
  2. 書面交付
  3. FAX(労働者が希望した場合に限る)
  4. 電子メール等(労働者が希望した場合に限る)
いつ?

妊娠・出産の申し出が出産予定日の1か月半以上前に行われた場合
     ↓
出産予定日の1か月前までに

②有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(令和4年4月1日施行)

変更前
  1. 引き続き雇用された期間が1年以上
  2. 1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない
変更後
  • 1. を撤廃し、2. のみに
  • 無期雇用労働者と同様の取り扱い(引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外可)
  • 育児休業給付についても同様に緩和

③産後パパ育休(出生時育児休業)の創設(令和4年10月1日施行)

対象期間/取得可能日数

子の出生後8週間以内4週間まで取得可能

申し出期限
  • 原則、休業の2週間前まで
  • 雇用環境の整備などについて、法を上回る取り組みを労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができる
分割取得

2回まで分割して取得可能(2回分まとめて申し出する必要あり)

休業中の就業

労使協定を締結している場合に限り、労働者が個別に合意した範囲で休業中に就業することができる(就業可能日数等には上限あり)

④育児休業の分割取得(令和4年10月1日施行)

1歳までの育児休業

2回まで分割して取得可能(取得の際にそれぞれ申し出)

休業開始日の柔軟化

期間の途中で配偶者と交代して育児休業を開始できるようにする観点から、配偶者の休業の終了予定日の翌日以前の日を、本人の育児休業開始予定日とすることができる

⑤育児休業取得状況の公表の義務化(令和5年4月1日施行)

従業員数1,000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられます。

公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。

取得期間の算定期間は、公表を行う日の属する事業年度(会計年度)の直前の事業年度です。

インターネット等、一般の人が閲覧できる方法で公表します。

自社のホームページ等のほか、厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」で公表することもできます。

まとめ

育児休業法の改正についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか。

ポイントをまとめると、

まとめ
  • 有期雇用労働者の要件が緩和される
  • 産後パパ育休が創設される
  • 育児休業を分割して取得できるようになる

です。

今回の法改正の目的は、男性がより育児に参加しやすい環境を作ることです。

男性も育児休業を取得して、積極的に子育てに参加できるようになると良いですね。

この記事が、あなたの育児・子育てに対する疑問や不安を解消するためにお役に立てば何よりです。

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