【何が違う?】新型出生前診断(NIPT)の認可と無認可

妊娠と出産

この記事は、こんな人に向けて書いたものです。

ポイント
  • 認可施設って何?
  • 認可施設と無認可施設の違いは?
  • なぜ無認可施設で検査する人がいるの?

新型出生前診断(NIPT)を調べていると「認可施設」「無認可施設」という言葉が出てきます。

これらの違いは何なのでしょうか?

無認可施設で検査を受けて大丈夫なのでしょうか?

この記事を読んでいただければ、認可施設と無認可施設の違いが明確となり、疑問や不安が解消できるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

新型出生前診断(NIPT)の概要を知りたい方は、こちらをご覧ください。

新型出生前診断(NIPT)の認可施設とは?

新型出生前診断(NIPT)の認可施設とは、日本医学会(*1)の認定を受けた施設のことです。

注釈(*1)

正式には、日本医学会臨床部会運営委員会「遺伝子・健康・社会」検討委員会の下に設置する「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会

新型出生前診断(NIPT)が「命の選別」につながる可能性があることや、検査前後の妊婦さんの精神的な負担を考慮して、日本医学会では新型出生前診断(NIPT)の実施施設に対して6つの条件を設定しました。

実施施設の条件
  1. 出生前診断に精通した臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーがいて,専門外来を設置していること。
  2. 専門外来で30分以上のカウンセリングをおこない,その中で検査内容を説明すること。
  3. 検査後の妊娠さんの経過に対するフォロー体制が整っていること。
  4. 絨毛検査や羊水検査などの確定的検査に精通し、安全に行えること。
  5. 必要に応じて、小児科の臨床遺伝専門医と遺伝カウンセリング等の連携がとれること。
  6. 臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーは、研修などを通して検査法の知識が十分にあり、施設内で検査結果の説明やカウンセリングが十分に対応できること。

日本医学会から認定・登録を受けるためには、これらの要件をすべてクリアする必要があります。

認可施設と無認可施設の違い

認可施設と無認可施設の主な違いは以下の通りです。

認可施設無認可施設
遺伝カウンセリング必須施設による
検査項目13トリソミー検査
18トリソミー検査
21トリソミー検査
13トリソミー検査
18トリソミー検査
21トリソミー検査
性染色体検査
全染色体検査
微小欠失検査
年齢制限35歳以上年齢制限なし
陽性時の対応確定的検査実施施設による
他施設との連携あり基本的になし

認定施設と無認定施設の費用の違いについては、こちらの記事をご覧ください。

遺伝カウンセリング

認定施設は、検査前後の遺伝カウンセリングが必須です。

無認可施設は、遺伝カウンセリングなしで検査できる施設もあります。

特定できる疾患

認定施設で受けられる検査は13・18・21トリソミー検査のみです。

無認定施設では、13・18・21トリソミー検査のほかに性染色体検査・全染色体検査・微笑欠失検査を受けることができます。

年齢制限

認定施設で検査を受けられるのは、基本的に35歳以上の妊婦さんです。

無認定施設には、特に年齢制限はありません

陽性だった場合の対応

認定施設では、同じ施設で遺伝カウンセリングと確定的検査を受けることができます。

無認定施設の対応は、施設によってまちまちです。

結果を伝えるだけのところもあれば、確定的検査の費用まで面倒を見るところもあります。

少なくとも同じ施設で確定的検査を受けることは期待できないでしょう。

結果が陽性でも、郵送やFAX、メールなどで結果を伝えるだけの施設もあります。

他施設との連携

認可施設は、同じ施設で出生後の医療やケアを実施できるか、できない場合は他施設との連携体制を整えています

無認可施設は、基本的に出生後の医療やケア体制は整っていないと考えた方がよいでしょう。

無認可施設で新型出生前診断(NIPT)を受ける理由

無認可施設で検査を受ける主な理由は3つです。

無認可施設で検査を受ける主な理由
  • 認可施設の数が少ない
  • 受診条件がゆるい
  • 時間がかからない

認可施設の絶対数が少なく、予約が取りにくい

全国の認定施設の数は、2019年12月18日現在で109ヶ所です。

認定施設のない都道府県もあり、なかなか予約が取れなかったり、予約が取れても順番待ちとなることが多々あります。

出生前診断を受けられる時期は限られているので、妊婦さんとしては順番を待っていられない実情があります。

受診するための条件が少ない

認可施設では、新型出生前診断(NIPT)を受けられるのは、希望する妊婦さんのうち以下のいずれかに該当する人だけとされています。

認可施設で受診できる条件
  • 過去に染色体異常の赤ちゃんを身ごもったことがある人
  • 高齢妊娠の人
  • その他、遺伝などで赤ちゃんが染色体異常になる可能性がある人

その他、検査前に配偶者同伴で遺伝カウンセリングを受ける必要があったり、認定施設で検査を受けるためには厳しい条件があります。

それに対して、無認可施設ではこのような条件はありません。

年齢制限もありませんし、配偶者が同伴する必要もありません

検査に時間がかからない

認可施設は、検査前に遺伝カウンセリングを受けて、検査は日をあらためて行います。

無認可施設は、遺伝カウンセリングを受けたその日に検査を受けることもでき、一度だけの来院で済ませることができます。

まや、無認可施設の中には土日でも検査可能な施設もあります。

まとめ

新型出生前診断(NIPT)の認可施設と無認可施設について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

ポイントをまとめると、

まとめ
  1. 日本医学会の定める条件をクリアして認定を受けたのが認可施設
  2. 認可施設だけでは妊婦さんの数に対して絶対数が少ない
  3. 認可施設無認可施設特定できる疾患が異なる
  4. 無認可施設は年齢制限などの検査を受ける条件が少ない

です。

認定施設の方が安心感はありますが、施設数が不足していて予約がなかなか取れない可能性があります。

出生前診断を受けられる期間は限られていますので、無認可施設も選択肢の一つと考えられます。

なお、認可・無認可にかかわらず、検査を受ける際は検査前後の遺伝カウンセリングや、結果が陽性だった場合のフォロー体制をきちんと確認することを強くおすすめします。

この記事が、あなたの出産に対する不安解消に少しでも役立つことを願っています。

新型出生前診断(NIPT)を検討している方へ、まずは専門家に相談してみませんか?

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